2006年8月9日水曜日

わかったつもり


「わかったつもり」を読了しました。
文章をよりよく読むための問題点とその方法についての本です。
文章をよりよく読むことと建築は似ている部分が多々あるというのが全体に対する感想です。
「文 章をよりよく読む」ための方法は、様々な角度から文脈を検討し、自分の持つスキーマを使い自分の物とすることになります。この作業を繰り返すことで、様々 な角度から文章を検討することが出来、細かな部分部分に新たな関連性を発見することできます。この際、注意しなくてはならないことは、「わかったつもり」 かもしれないという疑念を常に抱くことと、自分のスキーマがただの固定概念ではないかと疑うことです。これは、そのまま建築設計にも当てはまることです。 施主の意向をよりよく読み取り、建築という形に落とす行為は、まさに「クライアントの意向をよく読む」行為が必要なことだと思います。


逆 に、建築との相違点は、「文章を読む」という行為は読み手の解釈や仮定と文章とに整合性があれば、何通りでも解釈があっても構わないとする点ではないで しょうか。建築はある程度、答えは1つにならなければならないと思います。これは建築を仕事にしているからですが、クライアントが最大限満足できる答えを 見付けなければならないからです。プロである以上、最高の答えを見出すことが求められます。

多種多様な事物に対するスキーマを持つこと は、建築をする上でとても重要なことだと思います。また、クライアントの言葉から適切な文脈を見つけ出し、クライアントの細かな要求に建築の形になり得る 関係性をを発見し、建築の文脈を構築することがよりよい建築を作ることになりそうです。

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